Identity Shoulder System

人工肩関節置換術は、術後疼痛の軽減と良好な可動域の両方が求められます。痛みの元となる関節面の再建に加え、適切な軟部組織のバランスを獲得することが重要です。Identity ショルダーシステムには、豊富なサイズバリエーションがあります。そのため、これらを組み合わせることにより、患者さんそれぞれの解剖学的特徴に応じた設置を可能とします。また、既存のZimmer Biomet グレノイドインプラントと互換性があるため、新たな手術手技を修得する必要性が少ないです。さらに、マグネット機構により着脱操作が簡便になるよう設計されました。

ショートテーパーウェッジ型ステム

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ステム形状はストレートタイプで、長さが70 mm のマイクロと100 mm のスタンダードの2種類があります。ステム近位部の横断面は六角形、矢状面は急峻な楔形で、この領域にはプラズマスプレーが施されており、ステムの固定性とストレスシールディングの軽減が期待されます。

継承されるジオメトリ

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骨切角度は従来のコンプリヘンシブショルダーと同じ135° です。この角度により結節部の骨温存(=残存腱板付着部)を図ります。浅すぎず、深すぎない位置でミニトレイベアリングと組み合わせることができ、術後のスカプラノッチと脱臼リスクを軽減します。

上腕骨側で外方/下方オフセットを独立して調節

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従来のコンプリヘンシブリバースではトレイオフセットを変更するとき、構造上外方化と下方化が同時に生じてしまいます。Identity ショルダーシステムのトレイオプションは、上肢長を変えずに外方化だけを、もしくは外方化量を変えずに垂直方向だけを独立させた調節が可能です。