人工股関節形成術(THA)において、脚長や安定性、可動域を再現するためには、外科的な課題が存在します。モジュラー型のステムとネックで構成されるM/Lテーパーキネクティブステムは、脚長やオフセット、前捻/後捻などを個別に選択するように設計されているため、術中において骨頭中心を自然な形で再現することが期待できます。モジュラーネックの種類が多く揃えられているため、男女問わずさまざまな骨形態に対して、幅広い選択肢をご提供できます。
Kinectivテクノロジー
M/Lテーパーキネクティブステムは、幅広い骨形態に対応できるように設計されています。例えば女性の場合、骨頭中心が低く、オフセットは短く、前捻が強い傾向にありますが、男性はオフセットが長く、前捻が弱いことが多い傾向にあります1-7。このように男女によって特長のある傾向に対して多くの骨頭中心を調節でき、前捻及び後捻タイプが選べるモジュラーネックにより、オフセットなど男女異なる解剖的特徴への対応が期待できます。
M/Lテーパーデザイン
M/Lテーパーデザインは、テーパーウェッジ固定のコンセプトを採用しており、骨温存が期待できます。
キネマティクスの再現
M/Lテーパーキネクティブステムでは、脚長やオフセット、前捻/後捻といった運動学的に重要な三次元的要素の個別調節が容易であり、キネマティクスを適切に再現することが期待できるため、患者満足度の向上につながります。
術中における個別の前捻/ 後捻調節
M/Lテーパーキネクティブステムは、ステム設置後、個別に前捻/後捻の調節が可能です。これにより、症例ごとの大腿骨近位部の解剖に基づいたステム設置が容易になります。
適切な可動域のために
脱臼は、人工股関節形成術(THA)における主な合併症であり8、女性における脱臼の発生率は男性の4倍と言われています2,7,9-10。また、インプラントのインピンジメントはライナーの摩耗を促進させる一因となっています。M/Lテーパーキネクティブステムは、インピンジメントや脱臼の発生を低減し、適切な可動域を得られるように設計が施されています7,11-13。ネック径を小さくしたリデュースドネックが採用されており、またスカート付のヘッドを使用する必要がなく、骨頭中心を再現するために可動域の拡大が期待できます。