手術時の操作性を向上させる、日本初の色付き骨セメントを発売開始

2013年7月4日

 

バイオメット・ジャパン株式会社(本社:東京都港区芝公園2-11-1)は、 手術時の操作性を向上させる高粘性の色付き骨セメントを、日本で初めて導入します。 (※「高粘性」及び「中粘性」タイプを同時発売)本製品の導入により、 バイオメットは日本の骨セメント市場に初参入します。
本製品は、人工関節置換術時に、人工関節を骨に固定するために用いる骨セメントで、 「色付き(コバルトブルー)」であることと「高粘性」であることにより、 手術時の操作性を向上させることが特長で、ともに市販品にはなかった特性です。 また、製品を封入するパッケージも、安全性に配慮した「ソフトパッケージ」を使用(パテント技術)しています。


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1.手術中に視認性の高い"コバルトブルー"の「色付き」


手術野では体内組織の赤色や白色が多い中、コバルトブルーの本製品は、従来品(白色)と比べて手術時の視認性が良くなります。 余分な骨セメントが体内に残ると人工関節の耐久性や可動域に悪影響を与え、ときに痛みや違和感を伴う可能性があります。 高い視認性を有する本製品は、余分な骨セメントの取り残しを低減し、手術時の操作性向上や患者さんのQOL向上が期待されます。 

2.操作性に優れた「高粘性」


本製品は、操作に適した硬さになるまでの時間が早いことが特長です。 骨セメントは混ぜ合わせ始めてから数分後に使用に適した状態になりますが、室温などの諸条件によってこの時間が異なります。 このため、手術中、骨セメントの操作中は秒単位で確認が行われ、医師や手術室のスタッフが最も神経を使う工程の1つですが、高粘性の本製品は、手術時間を短縮するだけでなく、手術スタッフの心理的負担を減らすことが期待できます。

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3.パテント技術 容器の破片混入を防ぐ「ソフトパッケージ」


骨セメントは、手術中に液体と粉末を混ぜ合わせて作成します。 従来品では、液体はガラス製アンプルに入っており、くびれた部分を離切する際、セメント内や術野へのガラス片混入やスタッフの怪我等の問題点がありました。 本製品は、密封性が高いプラスチック製のソフトパッケージを使用しており、開封時の安全性と操作性の向上に貢献しています。 

骨セメント使用率の高い北欧では、人工関節置換術で使われるほとんどが操作性に優れた「色付き」・「高粘性」の骨セメントです。さらに、術後の合併症リスクを低減するため抗生剤入りの骨セメント(日本未承認・未発売)も臨床使用可能な状況で、数多くの症例で使用されています。
今回発売する「色付き」、「高粘性」の製品は、人工関節置換術用の骨セメントとして、北欧の医療環境に一歩近づいたこととなります。

バイオメット社は、本製品の日本への導入により、手術の操作性向上と患者さんのQOL向上に貢献することを目指しています。

<参考資料>

◆安心の成分

着色に使われている色素は薬や縫合糸の着色にも使われている安全なものです。 また、骨セメントの組成は、欧米で実績のある製品と同等となっており、安定した成績が期待されます。

 

◆余分な骨セメントの取り残しによる影響(詳細)

近年の人工関節置換術の傾向として、低侵襲手術が増えてきています。その結果、術野が狭くなり、より骨セメントの取り残しに注意が必要になります。
骨セメントを取り残した場合、残った骨セメントの塊や破片が人工関節の摺動面に入ると表面を傷つけ、耐久性が落ちてしまいます。また、取り残しの場所によっては、骨セメントがあたって人工関節本来の動きを妨げ、関節可動域(関節が曲がる角度)が小さくなる可能性もあります。さらに、取り残した骨セメント片が大きい場合には、患者さんが違和感を覚えたり、痛みが発生するケースもあります。

 

◆色付きによるもう1つのメリット

人工関節置換術において、長い間使用して人工関節が緩んだ際などに再置換手術を行う場合があります。
体内から人工関節を除去する際に骨セメントも全て取り除くことが望ましいのですが、骨セメントが白色の場合、骨と骨セメントを見分けづらいのですが、本製品を使用した場合は、骨と骨セメントの境界線がはっきりと分かるため、取り残しを減らすことが期待できます。

 

◆安全性への配慮として。ワークショップ/セミナーの開催

日本の医師の多くが、高粘性タイプの骨セメントを人工関節置換術に使うのは初めての経験となります。そこで、本製品の特性をご理解いただくために、初回使用の前にはワークショップを行い、高粘性の骨セメントを体験していただきます。
また、骨セメントを人工関節置換術に用いる場合は、血圧低下などのリスクを把握しておくことなど、いくつかの注意点があります。そこで、特に注意が必要な人工股関節置換術で本製品を使用される医師を対象に、使用に先だって製品の使用方法のセミナーを開催するなど、安全性向上のための取組みを行っていきます。


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ジンマー バイオメット合同会社
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